システムは思った通りには動かない

先日、丸紅ダイレクトが198,000円のパソコンを19,800円と間違って表示したため注文が殺到してしまう事件があった。

丸紅ダイレクトのページは、現在お詫びのメッセージがあるだけで閉鎖されている。


お詫びとお知らせ

先般198,000円で販売すべきパソコン「NEC VALUESTAR F PC-VF5007D」の価格を誤って19,800円と表示してしまいました。弊社での価格登録間違いにより、お客様各位に多大なるご迷惑をお掛けしましたことを深くお詫び申し上げます。

現在、丸紅ダイレクトサイトではサイトを閉じ、注文受付を停止いたしております。皆様には多大なご迷惑・ご不便をお掛けいたしますが、今後、業務の体制を見直し、同様の事態が発生しないよう徹底致しますので、何卒ご諒解の程よろしくお願い申し上げます。


ごめんなさい
結局、丸紅ダイレクトは、間違って表示された価格のままで販売することにした。

注文を締め切るまでに約1,500台の注文を受けてしまったと言うことなので、損害額は(198,000−19,800)×1,500=267,300,000。えーと、2億6730万円...う〜ん...

「間違ってました。すみません。」と謝ってしまえばイイのでは?

せいぜいお詫びに商品券を10,000円分ぐらい送ってしまえば充分で、気前よく間違った価格で売ってしまうのは、金を稼ぐことに真剣さが足りないとしか思えない。

最近同じようなことがあったDELLは、ごめんなさいで済ませている。


米Dell、Aximに「79ドル」--価格誤表示で顧客が激怒

 米Dellは、自社の米国向けサイトで、Axim PDAの価格を誤って79ドルと表示してしまい、その後同製品の受注を取り消したことから、同社には洪水のような苦情が寄せられている。Axim X3iは通常379ドルで販売されているもので、この件はEコマースサイトでの価格表示ミスから生じた災難の最新の犠牲者となった。

 Dellが顧客に送った電子メールは、次のような内容だった。「残念ながら、弊社はお客様より頂いたAximハンドヘルドPCへの注文をキャンセルさせていただくことになりました。弊社側のミスにより、システムはオンラインで正しい価格より低い、間違った価格を表示していました」。Dellは、自社のWebページ、カタログ、広告で、“Dellはそのようなミスに責任はもてない”という注意書きを載せていることに言及している。

システムを構築するにあたっては、人為的なミスを防止する仕掛けが必要だ。

今回の事例の場合、仕入れ値とチェックするようにしていれば、1/10で価格を表示するミスは防止できたはずである。

人手が介在していればこんな間違いはすぐ気付くが、受注プロセスを完全自動化した場合、コンピュータは間違って入力されていても分からないのだ。

システムは期待したように動いてくれるわけでなく、組んだ通りに動くだけである。

寝ている間に靴を作ってくれる小人の話があったが、コンピュータに靴を作ってもらうためにはきちんと作り方を教えてあげなければいけないのだ。