複雑さに耐えるということ
上司やプロジェクトリーダーは孤独なものだ。
権限が拡大するほど社内では気軽に話せる仲間は少なくなってしまう。
ましてや経営トップとなるとその孤独は絶望的なものである。
気楽に話していると思っているのは上司だけであり、評価される部下はつい自分を飾ってしまったり、追従を言ってしまうことがある。
自分の方針はメンバーに理解されているか?
部下はイエスマンではないか?
孤独は不安につながる。しかし、不安を解消するためとはいえ、やってはいけないことがある。
武井会長はその禁じ手を使ってしまった。
長年経営トップを続けていたため、耐え忍ぶことを忘れてしまったのか。
皇后陛下第26回IBBYニューデリー大会基調講演
読書は、人生の全てが決して単純でないことを教えてくれました。私たちは、複雑さに耐えて生きていかなければならないということ。人と人との関係においても。国と国との関係においても。
我々の社会は善悪二元論で割り切れるほど単純なものではない。
真実は一つではなく、すべては蓋然性の中にある。
リーダーには孤独に耐える強さと複雑さに立ち向かう勇気が必要である。
そしてそれができないなら退くべきである。