どんと来い国際競争


日本科学技術大学教授上田次郎のどんと来い、超常現象
中国のソフトハウスに勤務して、日本企業のシステム構築にあたってブリッジSEとして働いている方と酒を呑みながら話したことがあります。

「日本人のくせに中国の手先になりやがって」などと酷いことを言われるそうです。あまりにも狭い了見に呆れてしまいます。



これまで国際的な競争にさらされてこなかった業種がようやく他国の同業種と競えるようになったのです。

厳しい環境で競争した来た業種の方からすれば、競争は大歓迎でしょう。

中国に行ったことはないのですが、韓国人やベトナム人ものすごく努力しています。

これでは技術レベルでも管理レベルでも後塵を拝するのは当たり前です。それがいやなら、奮起して自分も負けないように努力するべきです。日本語のネイティブスピーカーで、同じ社会背景を持ち、お客さまの仕事場にも近いといった状況で負けているのは、賃金格差を跳ね返すだけのスキルの差がないからです。

これまで言語や国境に守られてきた産業は、ようやく他国との競争にさらされています。その傾向は今後一層拍車が掛かっていきます。


JISAニュース速報2月10日号

中国人IT技術者のマルチビザについて外務省へ要望を提出



近年、日中の産業交流は目覚ましく進展しており、情報サービス産業もその例外ではありません。むしろ、中国の豊富で良質なIT人材と低廉なコストは、わが国情報サービス産業にとって欠かせない状況であり、今後さらに日中両国の結びつきは強くなっていく見通しです。

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すでに700名の中国人技術者が、日中両国のソフトウェアビジネスを仲介する技術者として日本での滞在許可を受け、約100社に勤務しており、日中両国の年間取引額は100億円にものぼります。

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ソフトウェア開発は短期集中的に行う傾向が世界的に強くなっており、適切な時期に中国人技術者が訪日し打合せができないことは商機をのがすのみならず、ソフトウェア開発能力の低下をもたらし、わが国産業競争力にも好ましからざる影響を与えることが懸念されます。

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現行の短期滞在数次査証の発給拡大措置のみではカバーしきれなくなっております。このため、現行の短期滞在数次査証の発給条件の更なる緩和が情報サービス産業として緊急な要望となっております。


ぼんやりしていると、中国人技術者がどんどんやってきます。

でも、これに対応するのは簡単なことです。

中国、韓国、インド、ベトナムなどの他国の技術者と切磋琢磨して、世界をマーケットにすれば良いだけです。


実際の仕事では、社会背景も違いますので、日本人と同じようにはいきませんが、中国人だからダメとか、日本人だから安心なんてこたぁないッス。

どんな出身だろうと、どれだけの学歴があろうと、使えないやつは使えないし、頼りになって伸びていくやつはいます。

当たり前のことなのですが、民族や国家や出自の問題でなく、一人ひとりをキチンと見ないといけないのです。それを見ないのは、見ない方が怠慢なだけです。

日本人として相手が韓国人だからと言って偏見の目で見たり、韓国の方が日本人だからと言って民族感情丸出しで文句をいうのは、自分が狭い世間しか知らないか、相手との差異を認める知性がないか、その両方であるかを露呈しているのです。


最近スキルアップをさぼっていました。さて人のこと心配する余裕はない。自分で頑張ろうっと。


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IT産業を取り巻く環境の変化として、海外との競争激化も見逃すことができません。中国やインドなどが安価な人件費などを背景にIT産業に進出しています。国際的な分業や競争の中で、わが国のIT産業が競争力を高めて優位なポジションを確立するためには、高度なIT技術者の育成は喫緊の課題となっています。