仕事のIT化、社会のIT化、生活のIT化


デジタルデバイドとは何か―コンセンサス・コミュニティをめざして
昨年の春に出身高校の同窓会の幹事を担当しました。

同じ学年で同窓会を仕切るのですが、幹事の間での連絡は当然のようにメールでした。

メールは感情が伝わりにくい媒体ですので、事務連絡にしか使えないのですが、単なる連絡手段としての利便性は群を抜いています。


先日、中学生の娘に携帯電話を持たせることにしたのですが、ひっきりなしに友達とメールしています。

最初に見たときに「何、このマヤ文字?」と思ったギャル文字を多用したメールは、オヤジ世代には読解不可能です。

絵文字を使って、メールで感情を伝えようとしているのは、新たなコミュニケーションの黎明を見ているようで、興味深いです。

昨日のエントリでは「ITでは感情は伝わりにくい」と書きましたが、それは経験を重ねることで悟性が成熟し、感性が摩耗しているから、ITで感情を伝えられないのかも知れません。


さて、勤務先で某社パートナー制度の担当をしているのですが、毎年某社からパートナー向けアンケートの依頼が来ます。

まず封書で依頼が来て、その後メールで提示されたアンケートサイトで選択肢を選んだり、意見を書いたりしているのですが、毎回なんらかの記念品や図書券が送られてきます。

ところが今年の謝礼は、Amazonのギフト券でした。正確にはギフト券番号がメールで送信されてきました。

Amazonで購入する際にそのギフト券番号を入力すると、その分の割引となります。

この形態を取ることで、謝礼を払う側としては、以下のメリットがあります。

・輸送費の低減

・死蔵分の節約

たぶんアンケート依頼についても、何割かは封書を省略しメールで依頼をおこなうだけにして、回収率を調査して、来年からの費用節減を検討しているのでしょう。


この傾向の先にあるものは、ネット上でのマイクロクレジットの普及による通貨流通のIT化でしょう。

現在の仕掛けでも、会費を集めたり参加費を徴収することは可能なのですが、支払額の割に高い手数料がネックですね。

手数料が低減化されると、ロングテールの適用領域が一気に広がってしまいます。

ついに始まったGoogle Checkoutがその需要を埋めてしまうのか、ワクワクして見ています。


当面のIT化はネット上での経済活動に限定されますが、最近普及し始めた「オサイフケータイ」の先にあるのは、通貨自体のIT化です。

そうなった時に、社会構造は一段と流動性を高めることになってしまうのですが、その後にある激しい変化がもたらすものは、雇用者のデジタルデバイドなんて霞んでしまうほどの格差でしょうね。


さて、もらったAmazonギフト券で何を買いましょうか。