修学旅行の副読本
今年中3になる娘の修学旅行の行き先は長崎とのこと。
奈良京都だった僕らの頃とは隔世の感がありますな。
ということで父から娘に贈る書籍として図書を選んでみました。
夕凪の街桜の国
昭和30年、広島。原爆により父、姉と妹を失った「わたし」は母と2人で暮らしています。
平凡で暖かみのある日常を過ごしていますが、「あの日」の記憶は強く残っています。
職場の同僚から好意を告げられ、一緒に生きようと決心しますが....
エンディングは泣けます。「ヒロシマ」を題材とした作品の最高傑作だと思います。
女の一生〈1部〉キクの場合
「浦上四番崩れ」という幕末・明治の切支丹迫害事件を元にした小説。流刑にあい拷問を受けている青年に思いを寄せる少女キクが切ないです。
エンディングでマリア像の前で昇天するキクと、キクを愛した2人の男のエピローグは泣きます。
女の一生〈2部〉サチ子の場合
第一部の主人公キクの従姉妹を祖母に持つ少女が主人公となります。舞台は昭和初期の長崎です。
幼なじみのサチ子と修平は好意を抱き合いますが、修平はキリスト教の教えと戦争の矛盾に苦しみながら特攻隊員として出撃します。そして残されたサチ子の住む長崎は原爆が投下されてしまいます。
アウシュビッツで殉教するコルベ神父が強烈で、サチ子と修平がすっかり霞んでしまったのが残念です。