本と読書

酒肴道場

生涯n回目のゾロ目誕生日です。 年末の買い出しに出たところで、今日はすき焼きと決定しました。 日本酒でも飲みながら団らんを楽しみたいところですが、残念ながら今日は消防夜警当番に当たっています。さて、年明けから家内が土日は短期の仕事へ行くこと…

企業変革力、企業変革ノート

企業変革力作者: ジョン・P.コッター,John P. Kotter,梅津祐良出版社/メーカー: 日経BP社発売日: 2002/04/13メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 28回この商品を含むブログ (14件) を見る仕事絡みのミーティングのネタにしようとして読了。 企業が大規模な…

ちょいデキ!

新書「ちょいデキ!」読了。軽い内容で読了にも時間は掛からないです。 内容は、ご自分で考えられたであろう、仕事やスキルアップについての取り組み方や考え方について、親しみやすい語り口で書かれていて、好感が持てました。 自らについて特別な才能はな…

ヒストリエ

気の合う知人に勧められて「ヒストリエ」を読む。 作者の岩明均さんは、寄生獣で有名になった漫画家ですが、歴史物も面白い作品を出しています。 一読。良いです。 場所はギリシャ。アレキサンダー大王が登場する直前の時代です。 主人公エウメネスは、アテ…

夕凪の街 桜の国

出張で東京へ。取引先の担当者が親戚と会食とのことなので、早上がりして映画へ行ってきました。 観てきたのは「夕凪の街 桜の国(注:BGMあり)」。 以前、原作のコミックスを読んで、悲しい話に感情移入するあまり、号泣してしまいました。 どのぐらい泣いた…

ハリー・ポッター 最終巻

ハリー・ポッターシリーズの最終巻「Harry Potter and the Deathly Hallows」をAmazonで予約しておいたので、発売日の今日に届きました。 で、読了しました。最終章とエピローグだけですが。(笑)下の娘に『どうなるの?』と聞かれたので、「ハリーもロンもハ…

柿の種

日本に近代理系の学問を紹介した寺田寅彦の随筆集。有名な米菓とは関係なく、友人が主催する俳句雑誌「渋柿」に載った随想をまとめたことから表題をつけたようです。 寅彦は文豪夏目漱石の弟子として有名です。 実験科学者の観察力で世情や人情を切り取って…

明智左馬助の恋

本能寺三部作の最終刊読了。 『悲劇とは、傍観者として為すすべもないところに置かれながら、避けようのない終末へ向かって進んでいく者へ深く同情すること』とか言っていたのはロジャー・ゼラズニィでした。 本作も主君、明智光秀が出世欲に駆られて信長に…

修学旅行の副読本

今年中3になる娘の修学旅行の行き先は長崎とのこと。 奈良京都だった僕らの頃とは隔世の感がありますな。 ということで父から娘に贈る書籍として図書を選んでみました。 夕凪の街桜の国 昭和30年、広島。原爆により父、姉と妹を失った「わたし」は母と2…

ワイルド・スワン

矜恃を持って動乱の現代中国を生きた3代の女性についてのノンフィクション。 移動中の読書用に購入したのですが、これを持って中国に行くわけには行きません。 上中下3冊の文庫本で合計1,000ページにもなろうとする大書なのですが、面白かったため2晩で読…

中原中也詩集

「詩」というと学生の時に新宿西口の地下道で「私の詩集」を持っていた、電波系の方々を連想してしまうので、読むにあたってはかなり抵抗があります。 中原中也には、夭折の天才詩人というイメージを持っていますが、伝記や作品からは倨傲(きょごう)な面と…

見える化

話題の「見える化」を読みました。 トヨタ「かんばん方式」を生産部門だけでなく、営業部門や管理部門、経営層にも適用して、「強い企業」をつくろうとの提言です。 前半の総論部分は非常に興味深く読みました。 後半には事例紹介が続くので、ちょっとだれる…

方丈記

今月の読書会の課題本は「方丈記」。 『ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。』 書は出だしと結語がすべてだという評価からすれば、凄まじい名作です。 受験対策として著名な箇所は読んだことはありましたが、不惑を越えて、通して読むと、…

秀吉の枷

「秀吉の枷」を読みました。 前作「信長の棺」を読んだ方には「枷」が何のことか分かるのですが、それを知りながら、その時に向けて読み進めるのは楽しかったです。上下巻で740ページを一気に読んでしまいました。 上巻は秀吉が権力を奪取する過程がテンポ良…

国家の品格

遅ればせながら、ベストセラー「国家の品格」を読みました。 というのは、地元で著者の講演会が開催されることになり、聴講するからには読んでおこうと思ったからです。 書評を読む限りでは、書かれていることについての同意や反発がありますが、やや表層に…

共産党宣言

毎月参加している読書会の次回課題本です。 共産主義者を一言で貶すものとして、「20歳までに共産主義に傾倒しない人間は情熱が足りない。20歳を過ぎて共産主義に傾倒する人間は知恵が足りない。」という一句があります。世間では、ウィンストン・チャーチル…

ウェブ進化論

話題の「ウェブ進化論」を読みました。 著者の梅田さんは、ニュースサイトでコラムを毎日更新していたこともあり、IT業界では著名人です。 内容は梅田さんがコラムや講演で話していたことの集大成です。僕はコラムのROMだったので、「これは読んだこと…

ライオンと魔女

週末から映画が公開される「ライオンと魔女 ナルニア国ものがたり(1)」を読んでみました。 児童文学の系統で言うと、アンデルセン系とイソップ系が混ざったような物語です。 読む際に、登場人物の誰かに感情移入する小説があります。 主人公に感情移入できれ…

幕末、越後長岡藩の家老として活躍した河井継之介を主人公とする、司馬遼太郎の長編小説。 冒頭、雪から庭木や建物、塀を守るための冬囲い作業で賑やぐ、城下町長岡の描写から始まる。 継之介は町をあるいていた。 (北国は損だ) と思う。損である。冬も陽…

たとえ便利な道具であったとしても

僕は生来丈夫にできているらしく、ほとんど医者にかかったことがない。 入院したのは中学2年の時に盲腸の手術をしただけだし、通院したことも数えるほどしかない。 3年前に激務とストレスで胃潰瘍になった時は、医者に行くのが実に20年ぶりだったので、…

スティーブ・ジョブズ-偶像復活

コンピュータ産業(アップル)、映画産業(ピクサー)、音楽産業(iPod,iTunes)の3つの産業分野で成功を納めたスティーブ・ジョブスの半生を題材にしています。 友人に対して不誠実であったことや、部下に対して不必要なまでに厳しかったことなどジョブス…

五重塔

明治期の文豪、幸田露伴の代表作です。 最初はとっつきが悪いのですが、リズムの良い文体で楽しんで読めました。 技量はありながら小才の利かない性格ゆえに、「のっそり」とあだ名で呼ばれる大工十兵衛。その十兵衛が義理も人情も捨てて、谷中感応寺の五重…

絵のない絵本

児童文学を確立したアンデルセンの「絵のない絵本」を読みました。 月が見聞きしたことを貧しい絵描きが一夜ずつ聴いていくというショートショート形式の創作で33夜分あります。 タイトルの通り挿絵はありませんが「絵本」と銘打っている通り、視覚化を強…

人形の家(イプセン)

小鳥のように愛され、平和な生活を送っている弁護士の妻ノラには秘密があった。夫が病気の時、父親の署名を偽造して借金をしたのだ。秘密を知った夫は社会的に葬られることを恐れ、ノラをののしる。事件は解決し、夫は再びノラの意を迎えようとするが、人形…

蒲団・重右衛門の最後(田山花袋)

本書は「蒲団」と「重右衛門の最後」の2作品を収録している。 文学作品としては「蒲団」が有名である。 自らをモデルとして、若い女弟子に恋い焦がれる中年男の煩悶を赤裸々に描写している。 中年男としては身につまされますな。 しかし、もう一つの収録作…

日本の面影(ラフカディオ・ハーン)

ラフカディオ・ハーンの作品集『新編 日本の面影』を読みました。 以前、怪談を読んで、日本の風土を美しく表現した内容に感銘してから、別の作品を読みたかったのです。 帯には『ハーンが見いだした美しい日本の原風景』とあります。 元々日本を外国に向け…

ジーキル博士とハイド氏

「宝島」と並んでスティーヴンソンの文名を不朽にした名作です。 多重人格をテーマにしているため、精神分析の題材としても興味深く読めます。 世間の尊敬を集めるジーキル博士の周辺に下劣なハイド氏が出没します。 友人でもある弁護士はハイド氏の正体を探…

銃・病原菌・鉄

なぜインカ帝国が神聖ローマ帝国を滅ぼさずに、逆になったのか。 なぜアポリジニがイングランドを占領してアングロサクソンを虐待するようなことがなく、逆になったのか。 本書は、差別主義による人種間の格差という論調をあっさりと切り捨てて、論理的に持…

柳本監督講演会

所属している商工会議所青年部で全日本女子バレー監督の柳本晶一監督をお招きして講演会をおこないました。 新潟県中越地震でいったんは中止になってしまったのですが、大阪が地元の方ですので、震災つながりでお越しいただくことが出来ました。 それどころ…

「遠野物語」柳田国男

『遠野物語』を読みました。 日本民俗学の草分けである柳田国男が書き記した名作です。 ザシキワラシなどの神様や、女を攫う山人、天狗や河童、猿の経立(ふったち)や御犬(おおかみ)の経立などの化け物が紹介され、遠野で起こり噂で有名になった事件など…