本と読書

雨・赤毛

雨・赤毛 人が小説を書く動機はさまざまです。 名誉欲から書く場合、創作意欲にかられて書く場合、精神安定のために書く場合などなど。 サマセット・モームの場合は、『金儲けのためだ』と公言していたそうです。 それが本心からなのかどうかは分かりません…

智恵子抄

高村光太郎の芸術作品について誰よりも理解者であったのは妻の智恵子であった。 二人はお互いを愛し慈しみ、良き伴侶として幸福であったのだと思う。 情熱のほとばしる恋愛時代から、短い結婚生活、夫人の発病、そして永遠の別れ……智恵子夫人との間にかわさ…

デモクラシーの冒険

出張中に立ち寄った書店で手に取った新書を読了しました。 買って読んでいない本が山のようにあるのに購入してしまったのは、カバーにあるコピーに惹かれたからです。 1100万人を超える人類史上最大の反戦運動もむなしく、アメリカとその同盟国は、つい…

ローマ人の物語?? 最後の努力

塩野七生氏が毎年一巻ずつを刊行されている「ローマ人の物語」の最新刊が刊行されました。 もちろん購入し読了しました。今回も面白かったです。 毎年一巻ずつ刊行されるのですが、もう13巻目になります。 最初に刊行された翌年に産まれた娘が来年は中学生…

カラシニコフ

朝日新聞に連載していた「カラシニコフ」が単行本になったので購入、読了しました。 連載中から興味深く読んでいました。 民衆を殺し、国家を崩壊させ、子供達の未来を奪う紛争地域。そこには必ずカラシニコフという小銃があります。 略称は「AK47」アフ…

わしの眼は十年先が見える―大原孫三郎の生涯

先日、新潟市の万代島美術館でやっていた「大原美術館展」に行ってきました。 大原美術館は、倉敷にある日本でも有数の近代美術館です。 やっぱり実物は迫力あるなぁと感心しました。 近代美術から現代美術までの傑作を展示してありました。 個人的には、ム…

茶の本

日本の近代美術を確立した岡倉天心が書いた本です。 「武士道」と同じく外国人向けに英語で記述され、作者とは別の方が日本語に訳しています。 「武士道」は有名ですが、どこか現実離れした違和感があります。 「茶の本」の方が、広い学問と識見を基にして、…

怪談―不思議なことの物語と研究

ラフカディオ・ハーンの「怪談―不思議なことの物語と研究 」を読みました。久しぶりにエントリします。 1904年に亡くなっていますので、今年は没後100年にあたります。ハーンは現在でも愛されていますので、各地で記念行事が開かれているようです。 …

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団

ハリー・ポッターシリーズ第五巻の「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」を読みました。 発売日当日の9月1日に届いたのですが、小学6年生の娘が始業式のため早く帰ってきて先に読み始めました。 僕の娘だけあって、読書への集中力はあります。翌日には上…

土地開発公社の諸問題

かつて土地の値段が短期間で大幅に値上がりした時期があった。 そのため、道路の敷設や公共施設の建設にあたって、必要な土地が適切な時期に取得できないことが問題となった。 土地開発公社は、その問題を解消し、自治体が機動的に土地を取得するために設立…

反社会学講座

巡回対象のWEBページが本になりました。 内容はWEBページで読めるのですが、あまりにもWEBページが面白かったので、半分祝儀のつもりで購入しました。 大幅に加筆されていて、面白さが上がっていました。 一般的に信じこまされている「常識」につい…

変身

フランツ・カフカは、1883年(明治16年)生まれ。1924年(大正13年)41歳で結核のため死去しました。 「変身」は人間存在の不条理を主題としたカフカの代表作です。 『ある朝、グレーゴル・ザムザが何か気がかりな夢から目をさますと、自分が…

千曲川のスケッチ

『若菜集』刊行ののち,私塾の教員として信州小諸で6年間を過ごした藤村(1872−1943)は,千曲川にのぞむその地の人々の暮らしや自然を詩情豊かに描いた.この小品集は,そのなかから作者自身が若い人たちのために選び,明治末から大正初期にかけて雑誌『中…

ラ・ロシュフコー箴言集

「ラ・ロシュフコー箴言集」を読みました。副題は「運と気まぐれに支配される人たち」です フランスの中世から近世への過渡期に作成され、名声を集めた箴言集です。 時代は17世紀のフランス。宰相リシュリューが権勢を振るい、後継者であるマザランが権力…

仰臥漫録

仰臥漫録 近代俳句を確立した正岡子規の病床記です。 長年肺結核を病んでいて、晩年になって寝たきりになってしまい、病床で書いた日記です。 1902年(明治35年)に36歳で亡くなっています。 寝たきりの病床は気の毒ですが、見舞客が多く、経済的に…

職業としての政治

職業としての政治 先日、毎月参加している読書会がありました。 今月はマックス・ヴェーバーの「職業としての政治」でした。 100ページちょっとしかない薄い本なのですが、市町村合併へ異議申し立てをしている最中に考え考え読んだため、すっかり時間が掛…

蛇にピアス

今日は東京へ日帰り出張してきました。 現在設計しているシステムの規模は小さいのですが、短納期、低予算です。制約条件の中でいかにお客さまに満足いただけるシステムを構築するか。お客さま企業の担当の方は穏やかな良い人ですので、ちょっと厳しい条件で…

愛人(ラマン)

フランスの女性作家、マルグレット・デュラスの自伝的小説です。 フランスの植民地だったインドシナ、なかでもサイゴン(ホーチミン市)が舞台となります。 十八歳でわたしは年老いた− あの青年と出会ったのは、靄にけむる熱い光のなか、メコン河の渡し船の…

武士道

26camp=2025%26link_code=xm2" target="_blank">現在の5,000円札でようやく全国的に有名になった新渡戸稲造の代表作です。 公開中の映画「ラスト・サムライ」で主演のトム・クルーズがサムライのことを知るために読んだと言ったため一躍脚光を浴びています。…

ベトナム語(学習編)

仕事を早めに上がって荷造りしてから上京しました。ホテルの部屋でエントリします。 モバイルノートを使うのは久しぶりだったのですが、AirH"でつながらなくて焦りました。 今日中に見積りを送らないといけません。 電波が届いていないのか?と疑いましたが…

合併についての考察

東京に住む友人より都会に住んでいると合併の問題点がわからないとのメールがありました。 良い機会なので考えるところをまとめてみます。 現在、日本で気運が盛り上がっている合併は「平成の合併」と呼ばれています。 これまで「明治の大合併」「昭和の合併…

読書について

読書について 他二篇を読みました。 ショーペンハウアーの主著「意志と表象としての世界」の付録と補遺(パルエルガ−ウント−パラリポメナ)として書かれたエッセー集からの抜粋です。あくまで付録のつもりだったのらしいですが、初めてのベストセラーとなり…

ショーペンハウアー

ショーペンハウアーは現代思想史に色濃く影響を残す大哲学者です。 1788年に裕福な商人の息子としてダンツィヒに生まれます。 ずっと世に認められない不遇な在野の哲学者でしたが、晩年近くになってようやく認められます。最期はショーペンハウアーを尊…

ベトナムの昔話

「ベトナムの昔話」という本を読みました。引用しながら感想をエントリします。 そのころ、殷の侵略軍がこの国を占領していました。 殷の賊どもはこの上なく残忍で、その首領の殷王は恐ろしい野獣のような顔をしていました。 彼らは行く先々で、家を壊し、人…

I have a dream(私には夢がある)

本書はマーチン・ルーサー・キング(以下キング牧師)の説教・講演集です。 全てのページが彼の強い信念に基づいて記述されており、背筋を伸ばして声に出して読んでしまいます。 本当に素晴らしい本です。全人類が読むべき本だと思います。 1955年にアラ…

人生を変えるチャンス

先週は月曜日の21時から放送していたドラマ「ビギナー」が最終回でした。 様々な過去を持つ司法修習生のドラマでずっと見てました。 司法修習生は司法試験に受かった後、国家公務員扱いで司法研修所に入り、研修後に裁判官、検事、弁護士のいずれかになっ…

恋愛の科学

科学はいろんな迷信を論理的に説明してきました。 最近また一つ迷信が科学的に分析されて長年の謎が解けました。 「愛は麻薬」。 流行歌の歌詞に出てきそうな言葉が科学的にも立証された。恋に落ちると麻薬を服用したように体が反応し、中毒性もあると、英B…

ニッポン人には、日本が足りない。

忘年会の時期になりました。今週がピークです。体調を崩さないように楽しまなければ。 これから銀山温泉の藤屋へ行ってきます。 予習のため、藤屋の女将さんである藤ジニーさんが書いた本を読んでみた。 日本そして日本人には素晴らしいところがとてもたくさ…

学問のすゝめ

福沢諭吉著 天保五年(1835年)生まれ 安政五年(1858年)数え年25歳の時、江戸に出て後の慶應義塾となる塾を中津藩邸内に開く 明治維新(1868年)35歳 明治五年〜九年(1872〜1876年)学問のすゝめ刊行 明治三十四年(1901年)数え年68歳で死去 『「天は人の上に人を…

方法序説

哲学だけでなく、近代科学文明の源流である本書は、その名声と表題に比べるとあっさりと読めてしまう。 全体を通して控えめであり、謙虚な文体には好感が持てる。 大哲学者としてのデカルトでなく、数学に才能を発揮し、決闘に強く、女たらしで、博打で生活…